外貨預金と外貨建てMMF。外国の通貨に投資する際の注意点

外貨預金とは、円を米ドルやユーロなどの外国の通貨に換えて銀行に預金することです。

通常の円預金と仕組みはほぼ同じですが、利息が外貨でつくこと、さらに円から外貨、外貨から円に交換する際に為替手数料がかかる点が異なります。

金利や為替手数料は、取り扱う金融機関によって様々です。また同じ金融機関でも、店頭で行うよりもインターネットで取引をするほうが、為替手数料が大幅に安くなる場合もあります。運用を始める前にどの金融機関を利用するか、比較検討しておくことが大切です。

外貨預金は為替レートの動きに注意が必要

外貨預金は、普通の預金のように預けた金融機関によって元本が保証されていますが、外貨がベースであるため、円高が進んでしまった場合には、円に換算すると元本を割り込むことも考えられます。そのため、外貨預金では円高のときに外貨に換え、円安のときに円に戻すのが鉄則です。

外貨預金はペイオフ対象外

しかし、円の預金の場合は「預金保険制度(ペイオフ)」の対象で、お金を預けた金融機関が経営破綻しても、元本の1000万円に加えて、その利息分までは保護されますが、外貨預金の場合は対象外になります。

外貨預金の利息

外貨預金の利息は源泉分離課税で、一定の税率で税金が差し引かれますが、為替差益は雑所得扱いになり、ほかの所得と合算して税金を計算する総合課税(累進課税)となります。

安全性が高めの外貨建てMMF

外貨建てMMFとは、海外の安全性が高い短期金融商品などで運用される投資信託のこと。主に証券会社が取り扱っています。

円を外貨に換えて購入し、運用で利益が出れば、分配金が支払われます。さらに運用を継続していくと、分配が元本に加えられるため、受け取る分配金が次第に増えていく「複利効果」を見込めるの特長です。

外貨建てMMFは元本保証がない

外貨預金では元本が保証されていますが、外貨建てMMFの場合は保証されていません。安全性が高いのが特徴とはいえ、為替レートの動きによっては損失を被る可能性があるため、しっかり動向を見守って対処する必要があります。

また、満期がないため、購入した翌日から自由に解約が行えます。そのほかに、外貨建ての株式やファンド、債権などを買うために使ったり、債権の利息やほかの投資信託の分配金を外貨のままで貯めておくことができる金融機関もあります。

2016年の1月より、分配金、為替差益はともに20%の申告分離課税扱いになりました。なお、平成49年末までは、復興特別所得税0.315%が上乗せされるため、税率は合計で20.315%となります。