NISAとは。税金0円で投資できる制度

NISA(少額投資非課税制度)

NISA(ニーサ)とは、「NISA用口座を使えば税金0円で投資ができますよ。ただし、年間120万円までは。」という制度です。

NISAは少額投資非課税制度という日本語の名前もついているのですが、まさに読んで字の如く「少額であれば、非課税で投資できます」という意味です。

通常であれば、株式投資の売買で利益が出たり、配当金を得た場合は税金が20.315%かかるのですが、NISA口座であればそれが0%になります。はじめから20%以上も有利な状態で投資ができるということです。

これから投資を始めようというならば、まずはこの枠を使っていくことが大前提となる、それくらい協力な制度です。

NISA(ニーサ)の概要

非課税対象は?
値上がり益や配当金
非課税になる額
120万円(1年)
期間
5年
最大
600万円(120×5)
対象商品
株式・ETF・投資信託・REIT

非課税とは、どういうこと?

A社の株を100万円で買って、120万円で売った場合は利益は20万円です。

しかし、日本の法律では投資による利益には20%弱税金がかかるので、あなたのお財布に入ってくるのは16万円になります。

20万円 × 80%(80/100) = 16万円

NISAならまるごと儲けになる

NISA専用の口座を開設すれば、税金が引かれずにまるごとあなたの儲けになるのです。素晴らしいですね。

ただし、限度額があります。年間120万円までです。

そして、5年間まで合計600万円分までは非課税で運用できます。

NISAの口座はどこで開設することができるの?

NISAの口座は、銀行や証券会社などで開設できます。

ただし、ほかの口座で持っている株式などをNISAの口座に移管することはできません。

NISAの取り扱い商品は?

取り扱い商品は金融機関ごとに違います。口座開設の際には、自分が購入したい商品が購入できるかどうか、確認が必要です。

NISAで投資ができるのは、上場株式やETF、REITや株式投資信託などで、定期預金や国債、公社債投資信託などは対象外です。

金融機関を変更したい場合の手続きは?

金融機関の変更は1年毎に可能です。

たとえば、2020年はA証券で運用していたけれど2021年からはB証券で運用したい場合、以下のような流れになります。

  • 2020年の10月以降に手続き受付開始
  • A証券に「金融商品取引業者等変更届出書」を送る
  • A証券から「非課税管理勘定廃止通知書(または非課税口座廃止通知書)」を受け取る
  • B証券へ申し込み。「非課税口座開設届書」&「非課税管理勘定廃止届出書(または非課税口座廃止通知書)」を提出

2021年以降のNISA口座の運用をB証券でしたい場合、2020年10月1日から2021年9月30日の間に手続きをする必要があります。

まだ取引をしていない場合、その年に変更可能

2020年にA証券でNISA口座を開設したけれど、やっぱりB証券にしたい、という場合。

A証券で1度も商品を購入していなければ、2020年のうちに変更可能です。

1度でも売買してしまうとダメです。変更は翌年からとなってしまいます。

NISAのデメリット。損失はなかったことになる

NISAにもデメリットはあります。それは損失を出したときに現れます。

たとえば、NISA口座でS社の株を120万円で買ったところ、100万円に下がったところで売ってしまいました。損失は20万円です。

一方、他に買っていたF社の株は上昇して20万の利益を得ることができました。

このとき、通常であれば利益と損失がどちらも20万円なので互いに相殺して収支0円となり、税金もかかりません。

ところが、損失を出したS社はNISA口座であるためにカウントできないのです。

よって、F社の利益20万円に対して税金がかかることになってしまいます。

良いことばかりではないNISAの運用はどのようにするのが良いのでしょうか?

細かく利益確定する

ひとつの作戦としては、利益が出た時点で利益確定をしておくことです。

ただし、売却してしまうとその分の投資枠は使えなくなります。100万円で買った株で利益が出て確定させると、その年の残りの枠は20万円になるということです。

また、非課税期間が終了してからも引き続きNISAの口座で同じ商品を保有したい場合には、翌年のNISA枠を利用して継続することが可能です。その場合には手続きを行わないと自動的にほかの口座に移管され、課税対象となるので注意が必要です。

ロールオーバーを使って気長に待つ

NISAにはロールオーバーというシステムがあります。

NISAが適用されるのは、2014年から2023年までの10年間です。非課税となる期間は最長5年間(2023年に始めれば2027年まで非課税となる)です。

「2016年枠」を使ってS社の株を60万円で買ったとして、2020年末の時点で損失が出ている場合、翌年からの「2021年枠」へと移し替えることができるのです。

そうすれば、2025年まで待つことができる。その間に利益が出れば、無事非課税の恩恵を受けることができるようになります。

ただし、これを使うと2021年枠の金額が60万円分減ります(2016年枠でS社の株購入に使った金額分)。

また、うまく株価が上昇するとも限らないので、判断は非常に難しくなります。

値動きが小さいETFや投資信託を買う

ある程度値動きが読めるETFや投資信託を買うというのが無難な選択となります。

5年かけてゆるやかに価格が上昇するような商品、全世界にバランスよく分散投資されたものを選ぶことでマイナスになる可能性を低く出来ます。

または、生活必需品を売る会社のような高配当でかつ値動きが小さいものに投資するという手もあります。

ただし、ちょうど5年後に世界的な不況が起きないとも限らないので、この方法も絶対とは言えません。