資産運用をする上で大切な考え方の基本とは?
貴重な資産を運用する際、心がけたいのは分散投資。リスクを回避、軽減させるためにも必要な考え方です。
具体的にどのように分散すれば良いのか、基本的な考え方を知ることから始めましょう。
リスクによる損失を回避する運用をする
老後に使えるお金は、それまで貯めてきた資産がベースとなります。現役時代であれば、損をした分を毎月の給料で補ったり、儲かる銘柄を買い増ししたりといったこともすぐにできますが、退職後はそう簡単にいきません。
リタイヤ後は収入が減る分、増やすことが難しくなるうえに、病気やケガ、介護などといった思わぬ事態での支出が生まれる可能性も高くなります。そのため、今ある資産をどう運用していくかをきちんと考えることが重要になってくるのです。
リスクが大きいもの、小さいもの
例えば、預貯金は元本が保証され、運用を続けてさえいれば着実に増えていくためリスクが小さいのですが、自分に還ってくるリターンは大きくありません。現状の金利ではリターンはほぼ0も同然ですから、預貯金だけでは徐々に資金が目減りしていくことになります。
一方、株式などは運良く急成長する銘柄を買うことができればリターンが大きくなるのが魅力です。ためてきた資産と年金を大きく上回る資金が手に入る可能性があります。しかし、見込みが外れて大損する可能性もありますし、日々勉強や分析をしたからといって、必ず良い銘柄を引き当てられるというものでもありません。
このように、投資対象となるものは、それぞれリスクとリターンが異なります。
老後の資産運用は、いかにリスクによるダメージを抑えるかがポイントとなります。よってリスクのあるものを選択する場合には、どのくらい損をしても耐えられるのかも同時に検討しなければいけません。
分散投資をすることでリスクを軽減する
資産運用でリスクによるダメージを抑えるために有効な方法が「分散投資」です。例えば、同じ株だけを大量に所有していると、その会社が倒産したときに自分も共倒れになりかねません。
ひとつに集中するのではなく、なるべく違う銘柄、異なる業界のものを購入すれば、1つが値下がりしても、ほかの銘柄の利益で損益分を補うことが出来ます。
分散することで、利益も小さくなりますが、より安全に運用するためには必ず取り入れたい方法です。本来の目的は、老後に必要な資金を確実に用意することであり、瞬間的に巨額の利益を得ることではないのですから。
具体的な分散方法にはどんなものがあるの?
具体的な分散方法ですが、出資する銘柄を分けるだけでなく、購入する金融商品の種類を分散する方法もあります。
株式だけを持っているのではなく、安定性の高い国内債券型投資信託やREITのような不動産も扱う、といったように種類を分けて購入することでリスクを分散させることが出来ます。
また、日本の金融商品だけでなく、アメリカやヨーロッパ、アジアなど諸外国の商品を購入する「国際分散投資」という手もあります。
金融商品を購入する適切なタイミングは?
投資をする上で、金融商品は購入するタイミングが非常に難しいということも忘れてはいけません。
安いと思って購入しても、実際にはもっと値下がりするということも十分あり得ます。一度にたくさん購入するやり方はリスクが高いやり方です。理想は、値上がりしていく大きなサイクルの中でタイミングをずらして少しずつ購入すること。利益率は落としても、石橋を叩いて慎重に進めるべきです。
すでに購入した商品のバランスを定期的に見直すことも大切
リスクを回避するための分散投資ですが、分散して買ったらそれで終わり、ではありません。
安心してそのままでいると、当初の資産運用の思惑から外れ、想定以上にリスク過多になっていることもあるのです。
そのような場合には、所有する資産全体を見直し、バランスの崩れた部分を立て直す「リバランス」を行い、自分でリスクをコントロールできるようにすることが大切です。
いずれにせよ、途中で方向転換できるよう、余裕を持った範囲で運用をすることが大切です。
リスクが低めの運用
- 定期預金
- 国債
- 社債
- 公社債投資信託
リスクが高めの運用
- 株式投資
- 外貨預金
- 国内株式型投資信託
- REIT(不動産投資信託)