定年退職後の生命保険を見直す準備

定年が近づいてきたら保険を見直しましょう。

老後は現役時代に比べて収入が少なくなるので、余計な保証のために高い保険料を支払うのは大きな負担になります。

死亡保障、医療保障、貯蓄機能……それぞれ自分にとってどれくらいの保証内容が適切なのか、また保険料はどれくらいなら支払っていけるのかを計算して、保険と上手に付き合っていきましょう。

定年後の暮らしを見据えた保険の見直しのポイント

医療保障は高額療養費制度の利用。貯蓄や年金で十分

健康の悩み、病気で入院するときの金銭的な負担を心配する人は多いようです。

しかし、医療保険で保証される金額ほどかかるケースは稀であり、たとえ手術や入院費でも多額の医療費がかかっても、高額医療費制度があるので実際の医療費負担はそれほど大きくなりません

そのため、医療保障については保障額を減らして保険料を減額したり、すっぱり辞めてしまうのも一つの手です。

とくに10年毎の更新型は、将来(60歳以降)の保険料が大幅に上がるので積極的に見直しましょう。

保険を解約して浮いた分をそのまま貯蓄に回し「医療用」としておけばそれで十分です。

貯蓄型はいらない。普通に貯蓄するだけで良い

「老後・貯蓄保障」は、銀行預金があるなら加入の必要はありません。昔に比べると利回りも絶望的に低く、簡単に引き出せないので使い勝手も悪いです。メリットが見つかりません。

逆に老後資金が足りない場合は支払う余裕が無いはずですから、新たに加入する必要はないでしょう。

定年前後の年齢で新たに貯蓄型の保険を契約すると保険料は高くなります。また健康状態によっては契約できないことがあります。

ですから、基本的な戦略としては、「すでに契約済みの保険があるならば」その内容を見直して活かすことです。

どうしても不安な場合

とはいえ、生命保険に入っていないと不安で夜も眠れないという人もいるでしょう。その場合は、精神安定剤として最低限の保証に入ってもいいでしょう。ただし、必要以上の保険料を支払うのムダなのだということは覚えていて下さい。

また、保険はよくわからないからといって、すぐに保険会社の窓口に相談に行くのもやめましょう。インターネットで各社のホームページを見て保証内容や保険料を調べ、自分のニーズをしっかり把握することが大切です。

保険商品というのは本当に複雑で、最適解にたどり着くのは非常に困難です。ファイナンシャルプランナー(FP)の間でも意見は様々ですので、1人だけに相談するのはやめて複数の人に話を聞きましょう。

老後の保険を見直すときのポイント

  • 死亡保障はできるだけ小さくする。葬儀代、お墓代が用意できる程度で十分
  • 医療保障は止めていいくらい。高額療養費制度は大変優秀な制度。貯蓄や年金で十分まかうように家計を見直す。
  • 貯蓄型はいらない。利回りも低く流動性に欠ける。普通に貯蓄を頑張る方向で考える