自営業者が国民年金の受取額を簡単に増やす方法

自営業の人は、特に自分で何か対策をしなければ、老後にもらえる年金が国民年金だけです。

それでだけは将来が心配だと感じる人もいるでしょう。

そういう人のために「付加年金」という制度があります。毎月400円を納付すると、「200円×納付月数」分の金額が上乗せされます。

もし、10年間(120ヶ月)納付すれば、1年でもらえる年金額が24,000円(200円×120)増えるということです。

少額ですがゼロよりは良いですし、受給開始から2年で元がとれる計算になります。少ない負担ですぐに始められるのもメリットです。

年金の受給額を増やす方法は、他に国民年金基金やiDeCo(確定拠出年金)などもあるのですが、そちらは収める金額も大きいですし、「まずはすぐに出来る対策をしておきたい」という方は加入を検討してみてはいかがでしょうか。

付加年金に加入できる人のは?

付加年金に加入できるのは、第1号保険者だけです。自営業者や専業主婦の方がそれにあたります。会社員(サラリーマン)などは厚生年金に加入しているかたは対象外となります。

また、国民年金基金に加入している方は、第1号保険者だとしても加入できません。

付加年金の申し込み手続きはどこにすれば良いの?

お近くの年金事務所の窓口で申し込みできます。

申し込みが終わると、納付書が届くので、指定の日付までに金融機関やコンビニで納付します。

新しい年度になると、通常の国民年金保険料と合わせて1枚の納付書にまとめられたものが送られてきます。以後は今までどおり納付していけば問題ありません。

ねんきんネットでも、付加年金も納めているかどうか確認できます。

付加年金は脱退できる?

付加年金はいつでも脱退できます。

国民年金基金と併用はできないので、切り替えたい場合は付加年金を脱退する必要があります。

iDeCoとは併用可能です。ただし、iDeCoの月々の積立上限額が68,000円から、1000円分少ない67,000円になります(付加年金で400円払っているため)。

付加年金の納付金額と支給額

付加年金によって受給額がいくら増えるのか。計算は単純です。

40歳~60歳までの20年間、付加年金に加入した場合

納付額
400円×12ヶ月×20年=96,000円

支給額は…
200円×12ヶ月×20年=48,000円/年

55歳~60歳までの5年間、付加年金に加入した場合

納付額
400円×12ヶ月×5年=2万4,000円

支給額は…
200円×12ヶ月×5年=1万2,000円/年

付加年金は、2年以上受給できれば元がとれます。

付加年金のチェックポイント

  • 付加年金に加入できるのは第1号保険者だけ。つまり会社員など厚生年金に加入している人は加入できません。
  • 国民年金基金に加入している人は加入できません。iDeCoとの併用は可能
  • 支払った額は、年金受給開始後2年で元が取れる
  • 付加年金はいつでも脱退することができます。

現在、保険やiDeCoなどの制度を利用する予定がない方は、付加年金にとりあえず加入しておいて損はないでしょう。